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2010年05月27日

AnswerNo.2 + スワンネック加工

先日紹介しましたスワンネックのパターが完成しました。

ライ角が比較的アップライトでのご指定だったので、完全なフェースバランスではなく、アップライトになった分だけトゥが落ちるような感じに仕上げました。
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以下、5月12日の記事です。

こちらは先日紹介したスワンネックのパターです。

スワンネック・ベンディングした後、ライ角、フェースアングルの微調整をして、ネックを研磨成型し、メッキ前の仕上げ研磨をしました。

その他、お客様のご要望どおりの彫刻を終えまして、このままメッキ処理します。

スワンネックのベンディングは決して手を汚さずにできる簡単な加工ではなく、熱したり、叩いたり、引っ張ったりと激しい加工を行います。こういった激しい作業を要する加工は物づくりがどういうものかということを知るのに良い例かと思います。

コンピューターが作った量産品しか使ったことがないお客様からすると、こういった激しい加工をして、化粧直しをして販売する過程を見ると、まるで中古品でも販売されているかのような反応をされることもあるのですが、何もないところから1つの作品を作るというのはそういうものです。ベルトコンベアーでスマートに製品が流れてくるというような清潔で綺麗な作業ではなく、真っ黒に汚れた手によって作り出されます。それを最終的に綺麗に仕上げて1つの美しい作品が生まれます。

本当に綺麗なものは汚れたものの中から生まれて来るものです。デザイナーはその物作りの工程を”蓮の花”に例えますが、綺麗な蓮の花は泥の中で育てられて美しくなります。
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以下、5月10日の記事です。

こちらはクランクネックのダブルベントで、スワンネック加工のご依頼です。

タングステンをヒールにたくさんインサートしてフェースバランスにしてほしいという注文が時々あるのですが、これは不可能な加工の一つです。

フェースバランスというのは、シャフトの延長線上にスイートスポットがあるということです。

スイートスポットがシャフトの延長線上まで移るほどのタングステンはインサートするスペースがありませんし、パターの重さを倍近くにするほどのオモリをヒールに付けなければなりません。

当然、スイートスポットはヒールにあるのでヒールにインパクトしなければなりませんが、結果から言ってしまうと、そのようなパターでは、もはやボールは真っ直ぐには転がりません。

そこで、クランクネックをフェースバランスにする方法が2つあります。それはルールギリギリの超ロングネックにすること、そしてもう一つがこのスワンネックです。

ですが、スワンネックのネック曲げは微妙なネック調整のレベルではないので、最メッキの必要もありますし、ネック研磨して綺麗に成型する必要もあります。

過去に作ったスワンネックの本数はそんなに多くはありませんが、多くのものが名器と呼ばれて、現在でも愛用されていると報告を受けています。

投稿者 M.Sasaya : 2010年05月27日 12:00